こんにちは。jikuasiです。
これまで女性とは一切縁のない生活を送っていた鈴木夕樹(たっくん)。たまたま代打で呼ばれた合コンの席で、マユに出会った。透き通るような透明感、愛くるしい笑顔、そんなマユにどんどん惹かれていく。ほどなくして彼の初恋は成就し、初々しい青春のような日々を送りながら、二人は順調に愛を育んでいく。しかしそんな甘いひとときは長くは続かなかった。環境の変化で、二人の距離が離れるのと同じくして、心の距離も次第に離れていく。かのように見えたが…ラスト2行で物語がひっくり返る!必ず2回読みたくなる!超絶恋愛ミステリー!amazonより
2004年の発売と、少し古い作品ですが、テレビでくりいむしちゅーの有田さんが紹介したことから一気に大人気となりました。僕も書店を何軒かまわっても在庫切れという状態がしばらく続きまして汗
130万部を超えるミリオンセラーの作品でございます。
お話の舞台は1980年代後半。ちょうど昭和が終わる頃です。
side-Aとside-Bの二部構成になってまして、前半部分ではマユとの出会いから始まり、抱いた恋心が成就し、幸せど真ん中!というラブストーリーが、見てるこちらが恥ずかしくなるくらいアツアツに描かれています。
後半部分では二人は東京と静岡の遠距離恋愛となってしまいます。それでも週末にはマユのいる静岡まで車で帰り、また月曜から東京で仕事に励む、そして頻繁に電話もしてしっかりと二人の関係をつなぎとめる、二人ともけなげに頑張っているんです。
しかしある日、たっくんは会社の同僚である美弥子と出会います。美弥子は誰もが認める美人で、スタイルも抜群、仕事もバリバリ出来る。
そんな美弥子に、惹かれないわけありますか?
やっぱり、遠くの親戚より近くの他人というわけですね(違うか笑)
そしてやがて二人の仲が親密になっていくにつれて、マユへの愛情は薄れていき、二人の遠距離恋愛は、はかなくむなしい最期を迎えます。
というまさに「あるある~!」な展開で進むわけですが、
それは一度目に読んだときのお話。最後に大どんでん返しが待っています。
ということを私も聞いてから読んだので、「さすがにどこか途中で仕掛けに気付くやろ~」と思っていたのですが、最後になるまでさっぱり気付きませんでした。
むしろ最期になってもパニックで、しばらく仕掛けの意味が分かりませんでした。笑
「どど、どゆこと!!?」
ネタバレ記事等を見てようやく、
「ああ!そういうことか!やられた!!く~」
巧妙です。
実にうまい。
作中には色々なヒントや伏線がちりばめられているので、2回目はよぉ~く気をつけて読んでみてください。
ちなみにこの作品は昭和の終わり頃の現実の日本が舞台になっています。当時流行っていたドラマ「男女7人夏物語」を筆頭に、なつかしワードがぽろぽろと出てきますので、その世代の方は当時のことを懐かしみながら楽しめるんじゃないかと思います。
この作品も映画化されていますね。主演は前田敦子さんと松田翔太さんです。
まだ見れてないので、私はそちらも楽しみです☆
【追記】映画『イニシエーションラブ』を観てきました!
あ、もちろん自宅で。もちろんAmazonプライムビデオでね。
原作では素晴らしい叙述トリックが繰り広げられていましたが、しかしそれは小説だからなせる技。
映像化するのは不可能だろう、といわれておりました。
もちろんわたしもそう思っておりました。
感想:お見事
いや~、その手があったか、やられた。という感じでした。少々強引な気がしないでもないけど、段々とそれが自分の中で合理化されていく、不思議な感覚がありました。
物語は1980年代を舞台にしているのですが、小道具等もかなり忠実に再現されています。
わたしはまだ生まれていないもので、原作ではピンとこないものもたくさんありました。なので、「あぁ、長グツ型のジョッキってこういうやつなんか」とか、「パソコンが一人につき一台じゃない!」といったリアルな背景が映像として見られたのが面白かった。
あとはキャストが素晴らしい。繭子役の前田敦子はやっぱ上手いですね。そして石丸さん役の木村文乃さんもさすが。無邪気で子供っぽい性格の繭子と、大人の魅力を漂わせる石丸さんとの対比が、原作よりも分かりやすくてナイスでした。
他にも、「一寸法師や!」「名詞の人脈広い人や!」「ノリさんや!」といちいち心の中で叫んでしまった。笑
原作を読んだ方には、原作のトリックをいかに映像で表現するのか、という点が見所です。
もちろん、読んでない方もめちゃくちゃ楽しめると思います。
あなたはこのトリックを見破れるかな?
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