こんにちは。読書ブロガーのjikuasi(@jikuasi)です。
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孤島のハイテク研究所で、少女時代から完全に隔離された生活を送る天才工学博士・真賀田四季。彼女の部屋からウエディング・ドレスをまとい両手両足を切断された死体が現れた。
偶然、島を訪れていたN大助教授・犀川創平と女子学生・西之園萌絵が、この不可思議な密室殺人に挑む。新しい形の本格ミステリィ登場。 (amazonより引用)
1994年に発売された森博嗣氏の小説です。
発売から10年以上経ったのち、ドラマ化、映画化もされています。
登場人物
- 西之園萌絵(にしのその もえ)
主人公の女子大生。
暗算が驚異的に速い。4桁の掛け算でも一瞬で答えを出せる。
家がお金持ちの超お嬢様。キャンプなど行ったことない。
日傘必須。
- 犀川創平(さいかわ そうへい)
大学教授。合理主義者。バーチャルの世界に重きを置き、人との触れ合いをあまり好まない。
が、幼い頃からよく知る西乃園に好意をもたれている。
かなりの優れた頭脳の持ち主。
- 真賀田四季(まがた しき)
天才科学者。
圧倒的な頭脳と、14歳のときに両親を殺害したことから、その名前は世界中に知れ渡っている。
研究所内の部屋に隔離されて生活をしている。
ざっくりあらすじ
・舞台は、超超ハイテク、世界の最先端をいく研究所。
日本の離島にある、島外からのアクセスは島2,3日に一度くる連絡船のみ。
・ウェデングドレスを着て、両手足を切断された状態で、自動歩行ロボットに乗った状態で発見される(こえぇぇぇぇ
・真賀田四季博士は研究所内でも外部との接触を10年以上も遮断して暮らしていた。
よって、メールや音声通話以外で、直に会ったものはいない。
・密室の殺人
・謎解きをする最中に、研究所の所長と、副所長も殺される。
・いよいよパニック
感想(ネタバレあり)
真賀田四季博士の常識を外れた行動に、全くついていけませんでした。
でも、おそらくこれを読んだほとんどの人が同じことを思ったはず。
ついてはいけないのですが、言葉の節々にドキっとするような、鋭い言葉があり、非常に心を奪われていきます。
「病気なのです。生きていることは、それ自体が、病気なのです。病気が治ったときに、生命も消えるのです。
そう、たとえばね、先生。眠りたいって思うでしょう? 眠ることの心地良さって不思議です。何故、私たちの意識は、意識を失うことを望むのでしょう? 意識がなくなることが、正常だからではないですか? 眠っているのを起こされるのって不快ではありませんか? 覚醒は本能的に不快なものです。誕生だって同じこと……。生まれてくる赤ちゃんって、だから、みんな泣いているのですね。生まれたくなかったって……」
真賀田博士は、14歳のときに親を殺しました。(厳密には違うのですが)
自分が14歳になったときに、親を殺したから、
自分の娘が14歳になったときに、真賀田博士自身を殺そうとさせる。
で、娘はそれが出来なかった。
じゃ、娘を殺しちゃう。
ファッっ!!?
でしょ。マジで。
「貴女がおっしゃることは正しいかもしれない」 「私には正しい、貴方には正しくない……」四季は言う。「いずれにしても、正しい、なんて概念はその程度のことです
たとえば「外では服を着る」っていうことは誰がどう考えたって当たり前のように感じますけど、実際はそれが当たり前ではない文化で暮らしている民族だっているわけです。
それが、「悪いことだ」って言える人はいないですよ。
あなたにそんなことを言う権利はない。
「誰にとっても正しい」なんてことはありえないわけで。
また、前までは正しかったけど、今は正しくない、なんてこともたくさんあるでしょ。
たとえば、スポーツの練習中に水を飲んではいけない、とか。
そういう意味では、この先もずーっと正しいもの、なんてのもありえない。
諸行無常です。
この辺りのことを興味ある人はマイケルサンデル教授の本も面白いですよ。
NHKでテレビ放送もしていた、ハーバード白熱教室の先生です。
まとめ
すべてがFになる。
密室で起こった不可解な殺人事件。
超高度なコンピュータ技術を駆使した背景。
謎解きミステリー小説としても面白いです。
と同時に、何が正しいのか、といった人々の価値基準のようなものを考えさせる本であります。
一度手に取ってみることをおすすめします。
ドラマやアニメから見たら、小説も読みやすいですよ!
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