【リライト 2017.2.9】 【初稿 2016.11.21】
こんにちは、jikuasi(@jikuasi)です。
本日ご紹介する一冊はこちら!
”「あの人」の期待を満たすために生きてはいけない――
【対人関係の悩み、人生の悩みを100%消し去る〝勇気〟の対話篇】
世界的にはフロイト、ユングと並ぶ心理学界の三大巨匠とされながら、日本国内では無名に近い存在のアルフレッド・アドラー。
「トラウマ」の存在を否定したうえで、「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」と断言し、
対人関係を改善していくための具体的な方策を提示していくアドラー心理学は、現代の日本にこそ必要な思想だと思われます。
本書では平易かつドラマチックにアドラーの教えを伝えるため、
哲学者と青年の対話篇形式によってその思想を解き明かしていきます。著者は日本におけるアドラー心理学の第一人者(日本アドラー心理学会顧問)で、アドラーの著作も多数翻訳している岸見一郎氏と、臨場感あふれるインタビュー原稿を得意とするライターの古賀史健氏。
対人関係に悩み、人生に悩むすべての人に贈る、「まったくあたらしい古典」です。” amazonより
言わずもがな、100万部を超える大ベストセラー。書店でも大々的に売場が設置されてたり、アドラーに関連する他の書籍も多く平積みされていました。もう読んだよという方も多いのではないでしょうか。「実は…まだ読んでなくて…」という方の為に今回は間違いなく今年ナンバーワンの本書の、要点だけをさくっとご紹介します。
1,原因論から目的論へ
2,すべての悩みは対人関係の悩み
3,課題の分離
1,原因論から目的論へ
アドラーと同時代に活躍した心理学者、フロイト、ユング。彼らの主張は「原因論」というもので、”すべてのものごとには必ず原因がある”という考えでした。
しかしアドラーだけはこの考えに真っ向から対立します。
例えば、「過去にいじめられた経験がトラウマとなり、ひきこもりとなってしまった。」人がいるとします。
この例を目的論と原因論に分けて考えると、
原因論:「過去のいじめという原因によって、外出が出来なくなってしまった」
目的論:「外に出たくない、という目的で、不安という感情を作り、外出をしなくなった」
この二つはまるきり違った考え方です。アドラーはあくまで、自身の目的・感情が先行していて、今の状態という結果を生み出している、という主張です。いわば、
外に出たい!と思えば出れるでしょ。
ということですね。く~
アドラーはトラウマを明確に否定します。
2,すべての悩みは対人関係の悩みである
これはつくづく納得がいきました。つきつめると結局はそうなんですよねー!
今あなたはなにか悩みがありますか?それはたとえば仕事?恋愛?将来?スポーツ?考えてみてください。その悩みの周りには必ず「人」がいるはずです。
対人関係が悩みとなるわけは、他者に対する、優越感、劣等感、競争、世間体、良く思われたい、といった考えが軸にあるためです。しかし、そんなものは考えたってしょうがない。お前の顔を気にしているのはお前だけだよ」
グサッ!たしかにそうかも…。
わたしたちはどうしても他者を、「敵」とみなしがちです。しかし、考え方を変えて、
「人々はわたしの仲間なのだ」と思うようにしましょう。
さすれば世界の見え方はいまとまったく違ったものになります。なむなむ。
3,課題の分離
例えば、あなたのお子さんが、ちっとも勉強をしてくれなくて困っている。
「ちゃんと勉強しなさい!あなたの将来のためなんだからね!」といくら言おうとも、子供は聞く耳を持たず遊びに夢中。あなたは、子供にしっかりと勉強をさせて、しっかり教育していくのが親のつとめ=「課題」と思っているでしょう。
しかし、勉強するという課題はあくまで「子供の課題」であって、あなたの課題ではありません。あなたが子供の課題に介入することによって、子供は反発をし、トラブルを引き起こします。
なので、勉強するという「子供の課題」には決して踏み込んではいけない。
しかし、ただ放っておくのではありません。子供が課題に集中して取り組めるよう、あなたは最大限のサポートをしてあげましょう。健康に過ごせるようにバランスのいい食事を与えるだとか、静かなよい環境を整えるだとか、そいういったことが、「親の課題」です。
ご経験ありませんか?宿題をやろうとしてるところに母親が、「宿題早くやりなさいよー!」と言ってきたとたんにやる気がなくなってしまうこと。あくまで、やるのは子供、親はサポートに徹する、これが親と子の対人関係をうまくいかせる秘訣です。
「馬を水辺に連れていくことは出来るが、水を呑ませることはできない」
ということ。
まとめ
アドラーの思想は極論だといわれる物も多く、賛否両論が飛び交っています。
またアドラー自身もある程度自負があるようで、アドラー心理学を身に着けるには、生きてきた年月の半数を要する、と言っているくらいです。40歳なら20年かかると。ひぇーそれでもこれだけ売れているのは、今の時代が、アドラーのような考えを求めているからなのかな。
SNSで希薄なつながりを持ち、それを維持するために、使わなくてもいい気を使い、見栄を張って、神経をすり減らしていく。そんな混沌とした世の中に一石を投じる、そんな状況がベストセラーの背景にあるんじゃないでしょうか。
ちなみに『嫌われる勇気』の続編、『幸せになる勇気』も発売されています。
こちらも爆ヒット中です。合わせてどうぞ。
よーい、どくしょっ!