こんにちは。元人材派遣エージェントのじくあし(@jikuasi)です。
いま、働き方が多様化しているなか、「人材派遣」でのお仕事を考える方も多いんじゃないでしょうか。
正社員よりも自由で柔軟な働き方が出来ることから、人気を集めています。
特にIT業界などは、派遣でスキルを積む→フリーランスという流れが王道パターンとなってきてます。
でも、世間でのいわゆる”派遣”のイメージは、正直言って悪いですよね。
どうしても、ネガティブな印象を持たれがち。
政府も、同一労働同一賃金という旗を振って、直接雇用の正社員化を働きかけています。
まるで、「派遣社員がみじめで可哀想だ」くらいの勢いでメディアも煽っているような。
確かに、やむを得ない理由で派遣という働き方をしている人も居ますが、自ら進んで派遣を選んでいる方だってもちろんいます。
しかし、世間のネガティブな声を耳にすると、実際に派遣で働こうと思っていても、「不安」に感じる部分があるでしょう。
この記事では、人材派遣エージェントで働いていたぼく、じくあしが、あなたの不安を解消します!
目次
そもそも派遣とは
派遣とアルバイトとの違い
よく、派遣とアルバイトってどう違うの?
と聞かれることがあります。
決定的なのは、雇用主が違う、という点です。
例えば、一般的なアルバイトや正社員、契約社員でのお仕事(これを直接雇用と言います)のケースでは、A会社に勤めたら、A会社からお給料をもらいます。
人材派遣でのお仕事は、A会社でお仕事をしていても、あなたがお給料をもらうのは派遣会社からです。
http://syuhu-sigoto.com/dispatched-employee.htmlより引用
お給料を払うのが雇用主になりますので、あなたは派遣会社に雇われている、ということになります。
なので、お給料を上げてください!とか、勤務時間を減らしてください!とかっていう交渉は全て、あなたを雇用している「派遣会社」の方にしないといけないんですね。
派遣先、つまり毎日お仕事をしている現場の方に言っても、「いやウチに言われても…」ってなりますので注意しましょう。
派遣のお仕事のお金の流れとは?
はい、これもよくある質問です。
なぜ派遣会社が出している求人の方がお給料が高いか。
もう一度先ほどの図をご覧ください。
http://syuhu-sigoto.com/dispatched-employee.htmlより引用
あなたが実際に毎日お仕事をする現場、つまり「派遣先」と、「派遣会社」は労働者派遣契約というものを結んでいます。
契約の流れを簡単に言うとこんな感じ。
時間単価1500円でどうでしょう?そこから時給も広告費も手間賃も全部まかないますので。
(本人に渡す時給は1100円くらいにしとこか。。)
という感じに、派遣会社は諸々の経費分を含めて派遣会社からお金をもらい、そこから派遣スタッフに給料を渡す、という仕組みです。
(この、「派遣スタッフにいくらお給料を渡すか」は派遣先はあれこれ指示出しは出来ません)
なぜ派遣でのお仕事の方が時給が高いのか
上の例でいくと、派遣で働く方がアルバイトより100円も時給が高いですよね。これはなぜなのか。
- 直接雇用の場合
基本的に、アルバイトや正社員などの直接雇用でのお仕事は、無期契約です。
つまり、お仕事が終わる時期が特に決まっていない、ということ。
会社側もそういう労働者を解雇するにはそれなりの判断や、退職金などを用意しないといけない。
会社からすると「辞めさせにくい」ということになるんですね。
なのでお仕事を求めているあなたは、ある程度長期間でお仕事が出来ることになります。
- 派遣の場合
逆に派遣の場合は、有期雇用契約になります。
つまり、契約期間が明確に定められているのです。
短ければ1ヶ月契約。もしくは3ヶ月契約、6ヶ月契約、などというように。
問題がなければ、「契約更新」で引き続きお仕事が出来ることになりますが、更新されないケースももちろんあります。
つまり、契約期間が終わりに近づく度に、「更新されるかな…」とちょっと心配しないといけないわけです。
あなたが実際にお仕事を探している身だと想定して考えてみてください。
同じ時給で2つの仕事があります。
- ある程度長期の約束で安泰の仕事(時給1500円)
- 2,3ヶ月毎に契約が更新がされないかもしれない。。(時給1500円)
どっちがいいですか?
時給が同じなら、もちろん長期で安泰の方がいい!という人の方が多いと思います。
派遣だと契約更新されないかもしれないという、「リスクを背負うことになる」ので、
そのリスク分だけ、時給を上乗せしている、ということになります。
時給が同じなんだったら、求職者としては契約を更新されないリスクがある派遣会社で働くメリットがありませんからね。
派遣で働く「よくある疑問」4つ
基本的な知識をお勉強したところで、ようやく本題の、「あなたの不安」について、答えていきますよー!
1.急に仕事がなくなるのでは…
昔よく聞いた、いわゆる「派遣切り」ってやつのイメージですね。
派遣であろうと、ちゃんとした労働契約を交わしてお仕事をすることになるので、「今日でクビ」とか言われたら、その派遣会社は労働基準法違反です。
「不当な解雇」なんて呼ばれたりもします。
じゃ、逆にどういったものは正当な解雇に当たるのか?ということを労働基準監督署に問い合わせてみました。すると、
な、なるほど。警察沙汰を起こしてしまったら、解雇されても仕方ないということですな…
あなたが特段、警察にお世話になるようなこともなく、突然解雇を言い渡されたときは、労働基準監督署に相談してみましょう。
色んな事例があるなかでは、派遣先の仕事量が急遽減ってしまったり、事故・災害等で派遣先の会社での就業が不可能となった、といったケースもあります。
こういうときは、
ということです。
2.社会保険には加入出来ない?
- 1日(又は1週間)の労働時間がおおむねフルタイム労働者の4分の3以上
- 労働日数がフルタイム労働者のおおむね4分の3以上
フルタイム労働者とは、正社員のことです。
ここでの正社員とは、派遣元、つまりあなたを雇っている派遣会社の正社員のことです。
派遣会社の正社員が、一週間で40時間労働と定められているとすれば、
40h × 3分の2 = 30時間
一週間で30時間以上勤務をする契約ならば、必ず社会保険には加入しないといけない、ということです。
加入が出来るのではなく、加入する義務がある、というのがポイント!
ちなみに社会保険は
- 健康保険 (病院に行くときに出す健康保険証
- 厚生年金 (将来もらう年金)
との2つがセットで社会保険と呼ばれています。
「給与の手取りが減るから出来ることなら加入したくない!」
という方も結構いるのですが、加入しておけば将来返って来る年金が多くなるので、(本当かな…) 入ってて損をすることはありません。
ちなみに、年収で130万以内に収まれば社会保険に加入しなくてもよい!
という記述を見かけたりもしますが、これは間違いです。
年収130万円というのは、主婦の方で旦那さんの扶養範囲内で働く、といったときに基準となる数値です。
社会保険の加入とは関係がないことに気をつけてください。
雇用保険
こちらも条件を満たしている方は加入しなければなりません。
1週間の所定労働時間が20時間以上である者は雇用保険に加入する義務がある
雇用保険に加入する最大の目的は、ハローワークから受け取る失業給付です。
仕事を失ったときに、次の仕事を見つけるまで収入が無いと困るでしょうから、頑張って次の仕事を探す活動をすることを条件に、ある程度のお金がもらえる仕組みです。
これも、上記の条件を満たすのなら加入する義務があります。
加入させてくれない派遣会社は、とっとと辞めましょう。
3.派遣に有給休暇は無い?
全ての労働者には有給休暇がありますよ!
これも明確なルールがあります。
週5日勤務 なら勤務開始後6ヶ月時点で、有給休暇10日間付与
です。アルバイトでも有給はあるんですよ~。
まぁなかなか学生アルバイトの子に有給を取らせる企業は居ないと思いますが、一応法律ではこないなってます。
4.紹介された仕事がめっちゃ遠くても断れない?
現実的に通勤出来る範囲でしかお仕事は紹介しません。
し、されたとしても「通えません」って言って断ってください。
大阪で仕事したいのに、急に
「高知に行ってブロガーの小屋作りの手伝いの仕事をしてください」
とか言われたって、むりぃぃぃぃ!でしょ。
別に断ったからといって評価がマイナスになるとか、仕事を紹介してもらえなくなるとかはありませんから!
堂々と希望をお伝えください。
まとめ
少しは不安に思っていることが解消されましたでしょうか。
よく考えてみると、派遣の仕事って正社員とそう大きくは変わらないんですよね。
むしろ、手軽に辞めて別の職場に移れるし、過剰な責任を負わされることもなく、ひたすら業務に集中出来る環境だったりと、いいことも多いんです。
そして、かく言うわたしも、この派遣会社のエージェントの仕事を辞めて、派遣でエンジニアに転職致しました。
その際の体験談等もまとめてるので、参考にしてください!(お世話になった派遣会社の担当者は、ぼくが元同業者なので非常にやりにくそうにしてました。笑)
ネガティブイメージが先行しがちですが、それぞれの目指すべき方向に沿ったかたちであるならば、派遣という働き方も選択肢のひとつとして十分アリですよ。
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